くらしのたね

台風一過の爽やかな日


 台風18号が日本列島を直撃。ことに被害が大きかったのは西日本。1000年の都・京都の桂川も、福知山の由良川も氾濫して、TVのニュースを見ながら、『日本は災害列島だなあ』とつくづく思った。私の故郷では竜巻が起きたらしく、TVのテロップに私が卒業した小学校が『避難場所』として記されていて、びっくり! 西日本だけではなく関東地方にも被害をもたらしたのだ。

 さて、東京は…15日未明から午前中にはものすごい豪雨に見舞われたけど、午後はこれ以上ないほどの快晴。16日は暴風が吹き荒れたものの、雨量はたいしたこともなく、午後には台風が通過。我が家の3階にあるテラスでは、鉄製の椅子が倒れたのと、Black Boxという名前の蚊を吸い込む装置が飛ばされただけ。被害に遭われた地域の人たちに申し訳ない気分だ。

 台風が去った翌17日の朝、上を見上げると藤の枝の隙間から見える青空!空気はカラリとさわやか。2ヶ月間苦しんできた猛暑とおさらばできると喜んだ。この気候ならOK。さあ、そろそろ活動的になるか、という気持ちになった。







 

 まずはテラスの掃除。暴風に飛ばされたフジの葉っぱが、テラスのあちこちに山を作っている。
そこで取り出したのが、写真右手に見えるほうきとちりとり。ふたつとも大型ホームセンターで買ったもの。T字型のほうきは刷毛の長さが4cm、幅は45cm。角地にあるゴミもしっかり掃き出せ、使い勝手が実にいい。ちりとりは多分農作業用に作られたものだと思うが、これもたっぷりゴミを受け止めてくれて、気持ちのいい使い心地だ。30分後には75Lのゴミ袋が葉っぱで満杯になり、テラスは元の静かさを取り戻した。さわやかな空気は人をやる気にさせることをしみじみ感じたのである。ああ、また、あの蒸し暑い日が戻りませんように!

こぐれひでこ






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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)