くらしのたね

蚤の市の戦利品

 風邪引きでも発揮した「ノミの市リョク(力)」

 6年ぶりにパリを訪れた。2日目から風邪をひいてしまい、滞在中の半分をホテルで過ごした。ちょっと切ないパリライフだった。

 それでも頑張って出かけたのは蚤の市。パリには3つの蚤の市があり、若い頃は1日を費やして掘り出し物探しに精を出したものだが、今回出かけたのは一番小ぶりなポルト・ド・ヴァンヴだけ。よる年波と体の不調には勝てない。今回のパリで探したいと思っていたものの筆頭は「テーブルクロス」。この蚤の市には昔から布コレクターの店がいくつかあり、一般のテーブルウエア店では 絶対に売っていない素朴な布ものに出会う可能性が高い。

 そこで出かけましたところ、ありました、ありました。 ごっつい麻製のクロスです。店のマダムは「シーツだ」と言っていましたが、「テーブルクロスにしたら素敵!」だと思い購入(写真上の下にある布)。同じ店でBPと刺繍された麻製のナプキンも購入。写真下にあるのは夫が見つけた麻製のエプロン(男性用)。1枚は自分用、1枚はハム作り仲間の友さんにあげるんだそう。

蚤の市で買った布 | こぐれひでこ くらしのたね



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 こんなカトラリーも見つけました。左右、両端に並んでいるのはcafé用の小さなスプーン(ゆで卵を食べるときにも使えそう)。 一番上はトング、真ん中はcoquillages(貝類)を食べるためのフォーク、下はパッフェとかを食べるためのスプーン。 「全部クリストフルの製品」とマダムは言っていたが…… ホテルに戻って老眼鏡をかけて調べたら、Cristofleの文字が刻まれていたのはトングだけでした! でもいいんです。別にブランド名が好きなわけじゃないですからね。特に気に入っているデザインはcoquillages用のフォーク。

蚤の市でかったカトラリ | こぐれひでこ くらしのたね




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 風邪をひいていてもこれらを手に入れた我々夫婦の「蚤の市力」はちょっと威張ってもいいんじゃないか、と未だ止まらない咳をしながら眺めています。

 

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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)