くらしのたね

炭の威力。七輪の威力。

 我が家に七輪が登場したのは7年前。「炭焼き野菜」というテーマの撮影で使用した七輪をいただいたのだ。七輪の登場以来、七輪は友人たちが集まるごはん会で活躍していた。野菜を焼く。肉を焼く。ギリシャではタコを焼くという話を聞いたので 、タコの脚も焼いてみた。フォトジェニックで、しかも美味しい!


こぐれひでこ|たこを焼く


 半年前からその七輪の底が少しずつ崩れ始めた。七輪は珪藻土で作られているはずなので、人体に害はないとは思うのだが、 火を使っている間に底がどさっと抜けちゃったりしたら恐ろしいではないか。そこで夫が買い込んだのは長方形の七輪。サンマ 一匹丸ごと焼きたい!という望みを叶えるため、大きいのにしたそうだ。


七輪|こぐれひでこ


 最近ではごはん会など催されなくても、老夫婦だけでいろんなものを焼いている。初物サンマも焼きました(かなり小ぶりだったけど)。炭焼きするとなんでも美味しくなる気がする。


さんま|こぐれひでこ


 美しい色に空が燃えたあとは、夜のしじまが忍び寄り、お月様が私たちを見まもり始めます。 やがて星がきらめく夜が訪れます。 


雲|こぐれひでこ



こぐれひでこ「くらしのたね」バックナンバー

やさしい手作りのある暮らし てころはこちら

プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)