くらしのたね

一緒に暮らす幸運グッズ

 2004年の夏、「カワイイ幸運グッズ」という本を上梓した。あちこちの社寺仏閣を訪ね、幸運&開運授与品をいただいたことを綴った本である。

 東京で暮らしていた家には収納に困るほどの縁起物グッズがあったのだが、現在の家に引っ越すとき、神社でお祓いをしていただき、彼らとお別れをした。そのときサヨナラと言われなかった縁起物が写真に写るこの子たち(あ、一番奥の白いレーニン像は縁起物ではありません!)。
 この本はもう絶版になっているのだろうかと思いつつ、ネット検索してみたら、電子ブックとして売られていた。

一緒に暮らす幸運グッズ|こぐれひでこ


 写真の黄色い表紙、赤い帯の本が拙著。本の上、レーニン像の前にいる白い招き猫は、浅草にある、良縁に恵まれるという今戸神社の授与品(だから2猫がくっついている)。
 その右手の黒い招き猫も同じ神社の授与品なのだが、こちらは隠れた場所に置く厄除けの猫。2011年の大震災の時、タイルの床に落ちて体が二つに割れた。もしかしたらこの猫が私たちの身代わりに……などと考え、今でも暗い場所に置き、私たちを守ってね、とお願いしている(長いこと仕事をさせてごめんね)。

 左にいる2体のお地蔵様は眼病を平癒してくれる新井薬師で授与されたお願い地蔵。その頃眼に異常をきたしていたのだが、お地蔵様を授与されてしばらく後、目は正常に戻った。願いは通じるものなのかも。
 その奥にいる紫色のお猿さんは石垣島の民芸品。民芸品だけど私には優しい眼差しで幸運を運んでくれる幸運グッズに思えるの。

 開運とか幸運とか縁起物とか、そういうものに頼りすぎるのも問題ありだと思うけれど、仲良しするのもいいんじゃないかな。なんてことを考えた2017年の終わりなのでした。
 それでは皆さん、いっぱいイイことがある2018年になりますように!



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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)