くらしのたね

物欲について反省させられたお土産

私は旅先で買い物をするのが苦手。いやもっと若かった頃にはアレも買い、コレも買い、トランクにパンパンに詰め込んでもまだ足りず、安いズタ袋に詰め込んで機内に持ち込んだりして、キャビンアテンダントのお姉さんから迷惑がられたこともたびたび。だけどあるとき(50歳を過ぎる頃だったかな? )「お土産をあげてもそれほど人は喜ばない」「重くなるのがイヤだ」などと考え始め旅先でお土産を ほとんど買わなくなった。しかし、あげないのにくれる人はいるので心が痛み、今度こそお土産を探そうと思うのだが、ついつい忘れたり、まあいいか~と思ってしまったり……。


多分アメリカではなんてことないテープ

多分アメリカではなんてことないテープ

これは夫のアメリカ土産。なんじゃ普通のテープじゃないか、と言うなかれ。左のメジャー模様の黄色いテープ、かわいくないですか? 隣のオレンジ色のものは写真のフィルムを閉じるテープ。これで小包なんかを止めるとポップな仕上がりになる。そして右のタータンチェック。これは封筒を閉じるときに使うと、中身が請求書であっても、かなりチャーミングになる。お土産はなんでもないこんな日常品がいいなあ。




えっ、こんな素敵なものあった?

えっ、こんな素敵なものあった?

こちらは女友達がモロッコで買ってきてくれた木彫りのスプーン類とテーブルクロス。木彫りとはいえ装飾なんか何もない素朴なスプーンと白地に青いストライプだけのクロス。モロッコを旅したとき、装飾過多で好きじゃないと思って、しっかりものを見なかった自分を反省した。


今週わかったこと。「お土産はセンスが合う人からのものがいい」「物欲もほどほどには必要」



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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)