tecoloのような自然派サイトにアルコールの話を書くのは不適切だとは思うが、今週、私が最も衝撃を受けた出来事なので書かせていただく。
夕飯は和食だった。しかしお供の日本酒はふたりで300mlの瓶1本しかなく、食後に激しい物足りなさが残った。もうちょっと何か飲みたいね、とワインセラー内を探し、手に当たった瓶を引き寄せて見ると、1926という文字が見えた。ん、これ、1926年のもの? 明るい場所でラベルを読むと、確かに1926年に瓶詰めされたカルヴァドスであるらしい。1926年とは……昭和1年だ。なぜこんなに古いカルヴァドスが我が家にあるの?! と驚く。「バブルの頃、俺が買ったのかも」と夫が言い、飲んでみることにした。本来ロウで封じられているはずの瓶の口にロウはない。きっとずいぶん昔に、酔っぱらった私が開けようとして、夫に止められたのだろう。まあともかく、コルクを開けた。いや開けようとしたら写真のようにコルクがぐずぐずに崩れてしまった。

ありゃりゃ、こりゃもうアルコールは飛んじゃっているかもね。もっと前に飲むべきだったね。宝の持ち腐れだね。なんてことを言い合っていると芳醇な香りがダイニング中に広がった。ヒエ~、この酒、まだ生きているよ。グラスに注ぎ、チビッと飲んでみる。口の中はもちろん、喉、胸の辺り、はたまた腕の方までも香りが体内を浮遊しているのを感じる。さらりとおいしい水のような飲み心地だが、カルヴァドス特有のおいしさもしっかりと残っていて、私たちは大いに痺れた。「こんなカルヴァドス、飲んだの初めて~!」「ありがたくて飛んでいきそう!」と口々に叫ぶ(写真は飛ぶ舞をする夫)。

カルヴァドスとはフランス・ノルマンディー地方で造られるリンゴの蒸留酒。 40年間もカルヴァドスを好んできた私たちだけれど、こんなカルヴァドス、飲んだことない! 翌日、ネットで値段を調べてみた。
Lemorton Vieux Calvados Domfrontais 1926。
はいはい、続々と出てきました。しかも1926年のものばかり。しかし不思議なことに、ドイツで売られている価格が49,000~65,000円なのに、フランスでの価格は123,000円。どうしてこんなに価格がちがうのか、不可解。もっと調べていったら、フランスのサイトに240,000円という価格まで登場!!! 値段はともかくとして、我々は宝の持ち腐れの一歩手前で絶品&極上のお酒に巡り会うことができた。ワインセラーに残っている古いワインも、もったいないなんて言ってないで飲んじゃお! これも断捨離の一種と考えることにして。
- vol01. 幸せのたねは身近にあり!
- vol02. プレースマットの習慣・その始まり
- vol03. レモンがくれる幸せ
- vol04. 初心を喚起させる思い出のモノ
- vol05. 赤い、赤い、赤い還暦
- vol06. 作品と作者との関係
- vol07. まずは行動あるのみ!
- vol08. 物欲について反省させられたお土産
- vol09. 梅雨のアジサイに人生を思う
- vol10. サッカーを観ながら思うこと
- vol11. 丸見えのキッチン
- vol12. 大は小を兼ねる・ソテーパン
- vol13. 葉っぱに秘められた可能性
- vol14. 渦巻きが好きだ!
- vol15. これは便利だ!
- vol16. 魅力的な生活用品:卓上箒
- vol17. 一目惚れの真価
- vol18. 刺激って大切!
- vol19. 温故知旨のススメ
- vol20. 今更ですが、ごはんがうまい!
- vol21. 我が家のヨボヨボ椅子は100歳だった!
- vol22. 美しくておいしい生ジュースはいかが?
- vol23. こだわりのスポンジとブラシ
- vol24. 老いたヒデコの悩み:額縁と決心
- vol25. 大人だって!
- vol26. 自分の過去は宝物
- vol27. 依存し過ぎにご注意を!
- vol28. 古い布の復活
- vol29. 美し国ジャポン!
- vol30. 蕪の紅白味合戦
- vol31. 私が思う私の顔/他人が思う私の顔
- vol32. 不憫なのか、幸せなのか:我が家の計量ボウル
- vol33. 日本の家庭にはカトラリーも必要
- vol34. 新たな心でお詣りしましょ!
- vol35. 三浦大根で学ぶ:訊くはいっときの恥
- vol36. 富士山は観世音菩薩?
- vol37. 寒い冬に想うアンダルシアの情熱
- vol38. 最強の暖房寝具
- vol39. 竹製品のおだやかな魔力
- vol40. 水仙:清純なのか、ナルシストなのか
- vol41. 網焼きプレートで思う:デザインの重要性
- vol42. おいしい清貧:SYOKU-YABO農園
- vol43. あなたに似ているモノはなに?
- vol44. MUSTな入浴グッズ:馬毛のボディブラシ
- vol45. 心が緩むニッポンの祭り
- vol46. ふきのとうの花は室内でも素敵
- vol47. 誰でも子どもの頃は芸術家である
- vol48. 食事会のお手本は「潔さ」
- vol49. 思わぬ幸運から断捨離を考える
- vol50. 買うべきか、買わざるべきか、悩ましい食器
- vol51. ミキサーでおいしいポタージュを作ろう!
- vol52. 人を魅惑する花の香り
- vol53. 奇跡だ! とても小さな奇跡だけれど。
- vol54. 老いたテーブルクロスが愛おしい
- vol55. ベッドカバーは夢の世界への扉
- vol56. おじいさんのぬいぐるみ
- vol57. おデブは感じやすいのである
- vol58. 基礎的日本語
- vol59. 同じタイル、同じテラス
- vol60. ナイスかもしれない廃物利用
- vol61. 過酷な夏、唯一の喜び:洗濯
- vol62. 旅の宝物、蓮のブーケ
- vol63. 「鏡よ、鏡、鏡さん、世界で一番美しい人は誰?」
- vol64. 盆踊り
- vol65. 驚きの蚊取りラケット!
- vol66. 故郷に願う都会生活者のエゴ
- vol67. 煙突
- vol68. 夏の終わり/秋の始まり/懐かしのメロディ
- vol69. 台風一過の爽やかな日
- vol70. 秋祭りのオススメは「唐人踊り」
- vol71. 久々に爽快だった馬毛ブラシの買い物
- vol72. 私ゃけっこう持ち歩いてる/電子辞書
- vol73. つまらないものですが。
- vol74. CHANGE の季節
- vol75. 美しき冬の野菜たち
- vol76. ぬか漬けの運命は私の手に
- vol77. ロシア革命と芸術
- vol78. ささやかな発想の転換
- vol79. Vive la vie! (人生万歳!)
- vol80. 日本は広い。お雑煮もいろいろ。
- vol81. オノマトペって面白い!
- vol82. 大きなトレイ、活躍中
- vol83. 「発見!初喰い!うまい!」プンタレッレ
- vol84. 夫婦って不思議だ
- vol85. 志半ばで断念した《私だけのスタンプ》
- vol86. グラス1杯分のワイン紙パック
- vol87. 昭和の香りを残すアーチ型小店街
- vol88. 抱腹絶倒のじゃらんぽん祭り
- vol89. ガレットパンへの挑戦
- vol90. すごい料理本をいただいた
- vol91. 自然も一緒に食べちゃおう!
- vol92. つぼみ菜
- vol93. アーティチョーク
- vol94. コリンキーの正体
- vol95. 素麺かぼちゃという野菜をご存知?
- vol96. 庭のズッキーニ
- vol97. 苦手なヘビ…を買う
- vol98. バターナッツカボチャ
- vol99. 冬の大根
- vol100. ミニ白菜
- vol101. お 正 月
- vol102. 飯 台
- vol103. ニコニコマークと、卵?
- vol104. 弁当箱
- vol105. 血圧計
- vol106. 天草万歳!ところ天万歳!寒天万歳!
- vol107. 失敗からスタートした我が家の養蜂
- vol108. 教訓:たまには不味いものを食べるべし。
- vol109. 私はなんでもぶら下げる。
- vol110. 明らかになったキリル文字の意味
- vol111. ベッドカバー
- vol112. 蚤の市の戦利品
- vol113. 数字の語呂合わせ
- vol114. 69歳での挫折はちょっと哀愁を帯びていた
- vol115. 楽しかった停電の夜
- vol116. 空
- vol117. ストライプの呪縛
- vol118. 花を生ける
- vol119. 赤レンガ倉庫に感謝!
- vol120. 還暦祝いのスイカケーキ
- vol121. 炭の威力。七輪の威力。
- vol122. 端境期で光る日本カボチャの姿
- vol123. チーズの空き箱:第2の人生?
- vol124. 一緒に暮らす幸運グッズ
- vol125. 無謀な新年事始め:GOLF再開
- vol126. 昭和の女が昭和を探す
- vol127. 71回目の春の足音
- vol128. 嬉しかったお買いもの
- vol129. セイロの底力に惚れ惚れ
- vol130. 今も昔も、石鹸の匂いはイチバン人気(でしょ?)