くらしのたね

老いたテーブルクロスが愛おしい


こぐれひでこさん家の干されたテーブルクロス

 これは干されたテーブルクロス。1990年にパリの蚤の市で手に入れた。売られていたときすでに使い古されたものだったのだが、この大胆な図柄がいたく気に入って、ボロ状態であることなど考えずに購入した。当然ながら安かった。世の中にさまざまなテーブルクロスがあるとはいえ、ここまでオリジナリティ豊かで、私の好みにあったものはちょいとお目にかかれない。このクロスを買って以来、素敵なテーブルクロスはないものか、と注意しながら暮らしてきたが、これ以上のものに出会ったことがない。日常使いすることはや23年。もともとボロだったこのクロスのボロ具合はますます増し、一目で分かる大きな穴がところどころにあいている。色もずいぶんとあせた。


テラスにあるテーブルの簡単ランチ こぐれひでこ

 このクロスの活躍の場はテラスにあるテーブル。簡単ランチを食べるとき、このクロスさえあれば、手抜き料理だってこれこのとおり、にぎやかな雰囲気を醸してくれる。晴れた日は強い日差しをまともに受け、雨が降れば雨に濡れ、強風に吹き飛ばされたこともたびたび。それでもこの長い年月、弱音も吐かずに強く働き、年老いてしまったこのテーブルクロス、むやみに愛おしく思える。

 人もモノもすべての始まりは出会い。このテーブルクロスとの出会いは運命的なものだったのかも。洗い終わったこの布を物干しに広げながら、今朝しみじみと思ったのである。運命なんて、そんなちっちゃなことの積み重ねなのかも。


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