くらしのたね

盆踊り


 先日、友人が「バハマ・ママ」という80年代のディスコミュージックが盆踊りで人気だと教えてくれた。「怪僧ラスプーチン」が大ヒットしたグループの曲だという。「怪僧ラスプーチン」とは、若かった頃、ディスコで頻繁に耳にした曲。♪チャーンチャ、チャーンチャ、ラスプーチン♪ 即座に曲が頭の中に流れた。しかし「バハマ・ママ」という曲は知らない。ディスコミュージックで盆踊りを踊るの? いったいど~やって? 想像ができない。

 翌日彼から「バハマ・ママ」のネット情報が送られていた。それによると、この曲が盆踊りで人気を博している地域は、東京の東部、千葉県西部、神奈川の湘南地区だという。生和太鼓の響きが盆踊りらしさを生み出している。地域によってわずかな違いはあるものの、参加者一同、共通の動きを繰り返している。昔の盆踊りでは見られなかったお尻をフリフリと動かす振り付けもあり。洋楽と盆踊りの融合はなかなかうまい具合に行っている。楽しそうだ。

藤沢市の盆踊りの画像
http://www.youtube.com/watch?v=51w_ZAJ5Hnc

 その数日後、名古屋在住の人に「バハマ・ママ」の話をすると、名古屋、岐阜付近の盆踊りでは、荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」が人気だという。さっそくネット検索してみると……ものすごい熱気。共通の動きあり、そして参加者全員が振り付けを熟知している様子。「バハマ・ママ」よりも体力を要しそうな踊りのせいか、画像に映っている踊り手は若者が多い。往年のディスコテックの賑わいが現代に蘇ったような感じだ。

美濃加茂市の盆踊りの画像
http://www.youtube.com/watch?v=JOaktlt4TMw

 さて、これまで体験した盆踊りの中でダントツに感動したのは、大分県姫島の盆踊り。特に、狐踊りの子供たちのかわいらしさには涙腺が緩みました。以下姫島の狐踊りの写真です。こちらはみんなが踊るというよりは、観るタイプの盆踊り。


盆踊りきつね


盆踊りきつね風景




 


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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)