くらしのたね

幸せのたねは身近にあり!

tecoloのサイトをご訪問くださったみなさまはじめまして。
これから週に一度お目にかかることになりました、こぐれひでこです。
仕事はイラストレーターと雑文書き。
いつもの生活の中で心に響いたこと、驚いたこと、感心したこと、がっかりしたことなど、
さまざまなことを書かせていただくつもり。
そんなことがみなさまの気持ちのいい暮らしを作るヒントになってくれたらいいな、
と思いながら綴ります。

人はどんなとき、気持ちがいい! と両手を広げるのでしょうか。
ぬくもりのある春風を感じたとき? 
それとも眺望のいい高台から下界を見下ろしたとき?
掃除が終わってきれいになったキッチンを眺めるとき?

幸せを感じさせてくれるその素は小さなものから大きなもの、目に見えるものから見えないものまでさまざま。そういうさまざまなものが絡み合って、気持ちのいい暮らしは作られていくのでしょう。
一歩ずつ一歩ずつ、歩んでいきましょう。

私を気持ちよくさせてくれるものはなにか、と考えてみたところ、とっさに浮かんだのは雲。
私はじーっと雲を見ているのが好き。
山の上に浮かぶ雲、海の上に浮かぶ雲、ビルの上に浮かぶ雲。
雲を見ていると心が和む。

例えばこんな雲どうですか。

これは山形県鶴岡市の海岸に広がっていた雲の群れ。
この風景を目にしたとき、思わず深呼吸をして『気持ちいいなあ』と両手を広げてしまいました。
こんなに雄大な雲、そうちょくちょくはお目にかかれないけれど、出会えてよかった! 
思い出に残る雲です。

もひとつこんな雲はどうですか。

これは東京の我が家にある乱暴に伸びた藤の枝の間から見えた白い雲です。
都会の空にもこんな雲が浮かんでいるなんて、ありがたいことじゃありませんか。
出来のいい形の雲に出会うと『幸せの粒、ひとつゲット!』と心の中でつぶやき、
いい気分になれる。
幸せのたねは身近にあり! ですね。

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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)