くらしのたね

お正月

 お正月はいかがお過ごしでしたか?
ゆっくりできなかった人もグダグダゴロゴロと過ごした人も
「2016年にはこんなことがしたい」なんてこと、思いつきましたか?
私は4日目に「抱負のようなもの」がぼんやりと浮かんできました。

 残念ながらそれは、まだ形をなさない雲のような状態。
あ、「雲をつかむような話」とはまさにこのことか!
さて、この雲から伸びた芽は、少しずつ形を作ってくれるでしょうか。

 あ、今年のお正月、生まれて初めて「くわい」の調理をしました。くわいとは、レンコンと並んで正月料理に欠かせない野菜の一つ。青みを帯びた球体からひょろりと芽が出ている姿から「芽がでる」とされ、レンコンと同じように縁起のいい野菜ということになっているのだそうです。大人っぽい可愛さを持つ「生くわい」はこんな姿。

くわい


 「そうかあ、芽がでるという縁起ものの野菜なんだね」「芽を切らないように注意しよう!」と緊張して球体の皮をむいていたら、手が滑って芽を切ってしまいました。ん?、私の抱負のようなものからは、芽がでるのか、でないのか。心配なことになりました。でも5個は無事だったのですからなんとか芽が伸びてくれるかもしれない。「ガンバレ、ワタシ!」
 旨煮になったくわいは渋カッコイイこんな姿。


くわい旨煮

 元旦の朝、我が家ではこんなものを食べました。紅白なます/紅白かまぼこ/厚焼き卵/数の子/里芋/栗きんとん/黒豆/炒り鶏。お重にいろんな料理がギュンギュン煮詰まっているおせち料理は好きじゃないので、毎年とてもシンプルです。そしてお雑煮の中身は、焼き餅、鶏肉、小松菜、筍、椎茸、蕪、柚子、三つ葉、すまし汁。関東地方の普通のお雑煮だと思います。酒飲みなのにお屠蘇はナシ。


お雑煮


おせち料理


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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)