くらしのたね

数字の語呂合わせ

 ちょっと遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

 今年、私は70歳「古希」になります。 この言葉が生まれた時代、70年間も生きるなんて「希」なことだったんでしょうなあ。 フーム、ワシも歳をとったっものじゃのう、という思いが頭の底の方に沈殿していて、モヤモヤ気分だった元日。 届いた年賀状に目を通していたら、2017という数字だけが目立って見えました(私、年賀状を出さないので、下の画像はいただいた年賀状を使用)。


 私の誕生日は2月17日。似ているぞ、数字が! 
そ≠ゥ、今年は私の年なのか=B
時計が2:17を指しているのを目にしただけで妙に嬉しくなる私なので、今はすっかりいい気分。


 数学は得意じゃなかったのに、数字が好きなのはどうしてなんでしょ。
特に好きなのはアラビア数字の語呂合わせ。
渋滞中の道路ではいつも、前の車の番号で語呂合わせして楽しんでいます。
「いい国作ろう鎌倉幕府」(鎌倉幕府:1192年)(現在は《いい箱作ろう鎌倉幕府》に変わって、1185年だとか)
「火縄くすぶるバスチーユ」(フランス革命:1789年)
「いやロッパ君明治だよ」(明治維新:1868年)など、
記憶力は悪い方なのに、
子供の頃覚えた語呂合わせの歴史の年代は今でも忘れずに残っています。

 語呂合わせすると数字は面白い。東京へ出かけるとき、横横道路でたびたび見かける黒い覆面パトカーの番号は「肉野郎:2986」、我が家の車は「小暮;0590」とかね。何が面白いんじゃい! と異を唱えられても反論はできない。なんだか面白いという理由だけだから。

 以前、パリにアパルトマンを持っていたことがあります。 建物へ入るためには秘密のCODEをプッシュしなければなりません。 そのコード番号が、日本人にとっては唖然とするものだったのでお伝えしましょう。
13年間で番号は2度変わっただけです。
最初の番号は「37a68」。 はい、日本語がわかるあなた。 これはどんな日本語に変換できるでしょうか?
我が家ではこれを「皆エロや」と変換しました。
数年後、変更された番号は「31a94」。 メモを渡された途端ドッキリしました。 だってこれ、「最悪よ」としか変換できなかったんだもの。

数字を語呂合わせで覚える国って、日本の他にもあるのでしょうか。
これ、長年続いている私の疑問です。ご存知の方、どうか教えて!

 

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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)