くらしのたね

食事会のお手本は「潔さ」


 3月下旬、桜並木に面する友人宅でお花見会が開かれ、食事構成の見事さに感心した。もう数十回もそのお宅でご馳走になったことはある。そしてその都度「今度は私もこうしよう」と心に刻みこんでいるのだが、私の場合、いざ客人を迎える側になってみると、あれもこれもと加えてしまい、方向がはっきりしない食事構成になってしまうのである。
 それでは私がお手本にしたい友人宅の食事会を紹介することにしよう。


4年前の子供たちの絵

 お花見会はリビングルームで開始。大きな竹ザルに盛られているのはキヌカツギ、スナップエンドウ、ラディッシュ、ミニダイコン。2種類のオリーブ、サラミソーセージ、干しぶどうとチーズ(コンテ)。手でつまんで食べる。ひとしきり食べた後、高級肉で作ったビーフジャーキーとホワイトアスパラガスが登場。どれもそれぞれの特徴があり、実においしい。生のもの、ゆでたもの、乾いたもの、さっぱり味、こっくり味、ムニュ、ショリ、カリッ、ネットリ、シュワッ……豊富なバリエーションに胸が躍る。飲み物はシャンパーニュ。


東大駒場の塀で出会った子どもたちの絵

 夜の帳が下りる頃、ダイニングルームへと移動。第1幕とは趣の違う料理が待っている。料理の中心はすっきりしゃっきりと炊きあがったタケノコごはん。それを取り巻くのは、若竹煮とグジ(甘鯛)のハンペンとゼンマイと油揚げの煮物と小松菜と油揚げの煮浸し。飲み物は日本酒。食事の最後は煮干しと貝柱でとったダシにコンニャク、ニンジン、ゼンマイ、ダイコンを入れた汁物。再びリビングへ移動して果物のデザートを食べる。奇をてらったものなど微塵もない真正のおいしさと食事の流れ、完璧ではないか! これは高度な潔さである。いやはや、いつもながらお見事!

 私の場合、何でもかんでも自分で作りたがる。しかも驚いてもらおうと奇をてらいすぎる。だから潔い食事会にならないのだ。 花見会の後でそんな反省をしたのである。次回、我が家で催す食事会で、この反省が生きるだろうか? 是非とも生かしたいものであるが。


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