くらしのたね

驚きの蚊取りラケット!


 友人夫婦のオシャレな別荘へ遊びに行ったら、シックなソファーの上にラケットを発見。バドミントンのラケットにしては柄の部分が短いし、テニスラケットにしては小さい。それに友人夫婦がスポーツをやるという話など聞いたこともない。何のためのラケットなのかと不思議に思いながら、完成したばかりの家を案内されるうちに、不思議なラケットのことを忘れていた。

 日が沈み、少しだけ涼しくなってきたころ、ふくらはぎにかゆみを感じる。蚊にやられたみたいだ。その場にいる誰もが「かゆい、かゆい」と言いながらポリポリどこかをかいている。とその時、ソファーに駆け寄った友人男子が不思議なラケットを手にし、テニスの素振りをするようにラケットを動かすと、バチッという音が聞こえた。なんと、このラケットは蚊や蠅をとるための道具なのだという。ラケットのネットには電流が走っていて、ここに当たった蚊や蠅は感電死するのだそう。ひえ~、こんな方法がありましたか~。びっくり。ホームセンターで400円もしないよ、と聞いてまたまたびっくり。

 蚊の動きを見定めながら両手でパチン!簡単なようでいてこれ、難しい。もっと難しいのは蠅ですね。蠅は動きが速いので、手で取るなんて所詮無理な話。しかし、このラケットを使えば空中を飛び交う蠅だって退治できてしまうんです。こりゃ便利じゃ! というわけで、我が家用にひとつ購入しました。単3電池を2本入れ、電源をON。通電スイッチを押すとネットに低圧電流が流れます。この電圧に触れた蚊や蠅はショック死するわけですね。


蚊取りラケット




 ブラックの柄、オフホワイトのフレーム、ブルーのネット、配色もなかなかじゃありませんか。その辺にひょいと置いてあってもイヤじゃない色合い。家に持ち帰り、空中を飛ぶいろいろな害虫に試してみましたところ、蚊や蠅はたちどころにショック死するけれど、蜂は一時的に気を失うものの、しばらくすると息を吹き返すことが判明しました。身近にいる害虫すべてに有効なわけじゃありません。しかし蚊や蠅が退治できるだけでもありがたい道具です。まだまだ蚊や蠅の季節は続きそうです。このラケット1本、お宅でも用意してみてはいかがですか? 400円弱とお値段もお手頃ですし。



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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)