くらしのたね

私はなんでもぶら下げる。

  恥ずかしながらワタクシ、整理整頓が苦手。探し物ばかりして、随分時間を無駄にしたもんだ、と人生の折り返し地点に差し掛かった頃、しみじみと後悔をし、反省もした。だからといって、急に収納が上手になったわけではない。ただ一つの方法を編み出しただけ。その方法とは「ぶら下げる」こと。ただぶら下げるだけではない。ちゃんと見えるように、しかもインテリアとして合格点を与えられるようにぶら下げるのだ。そうすれば探し物する時間のロスは激減し、住まい全体にワクワク感が生まれるはず。

  さて、ぶら下げ度がもっとも高いのはキッチン。
 使う頻度の高い鍋は大きさのグラデーションをつけて、手の届きやすい場所にずらりと並んでいる。

鍋|こぐれひでこ くらしのたね


 引き出しに入れてしまうと収拾がつかなくなってしまいがちな調理器具も、こんな具合にぶら下がっている。


調理器具|こぐれひでこ くらしのたね



 続いて玄関。
 玄関を入った正面にあるのは「鍵ぶら下げウォール」。車の鍵、バイクの鍵、家の鍵……これらはここにぶら下げようと、この家に転居してきた日に決めた。最近、神社のお札みたいなものや、サングラスまでぶら下がり始め、見映えの点では危険信号点滅中だ。こりゃイカン!


かぎ|こぐれひでこ くらしのたね



 も一つ玄関。
玄関を入って左手の壁にはフックが付いていて(合計6個)、バッグや帽子が引っ掛けられている。写真の様子は夏バージョン。寒くなってきたら、冬用の帽子やベレー帽、ストールなどが引っ掛けられる。

かぎ|こぐれひでこ くらしのたね



玄関 | こぐれひでこ くらしのたね



 これらは我が家における「ぶら下げ収納」のほんの一例(いや、4例?)。 「いいね!」と言うか「イヤだね!」と言うか、それはあなたのご自由です。



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プロフィール

こぐれひでこ プロフィール

1947年埼玉県生まれ。
イラストレーター。
デザイナーとして活動後、
『流行通信』での連載がきっかけとなり、イラストレーターに。著書には、「食」「暮らし」に関するエッセイも多く、毎日の食事を公開しているホームページ「ごはん日記」は2000年より連載中。読売新聞の「食」に関するコラム「食悦画帳」は2004年より連載中。著書は『こぐれひでこのおいしいスケッチ』(新潮文庫刊)、『小泉今日子×こぐれひでこ 往復書簡』(角川マガジンズ)